特定の相手に過剰に執着して尽くすことで好意を得ようとする心理傾向のことを共依存と言います。
もともとはアメリカでアルコール依存症の患者の多くが病院から自宅に戻ると、なぜか再発してしまうという問題から定義された言葉です。
相手に必要とされることで自分の価値を見出そうとする欠落感からくる関係は、一見すると愛情のようにも見えますが
互いに自立や成長ができなくなり次第に不自由で苦しい関係になっていきます。
共依存の原因は?

共依存の根っこにあるのは「誰かに必要とされないと自分には価値がない」という思いです。
子どもの頃に傷つくような経験があったり、親の愛情不足や親をフォローしていたなどの機能不全家族の経験があると
大人になってから誰かに尽くすことで評価してもらい自尊心を得ることや承認欲求を求めてしまうことがあります。
また、アダルトチルドレンの気質を持った人のなかにもこの傾向が見られることもあり
特に女性は母親からの世代間連鎖になっていることも多いです。
共依存に陥りやすい人の特徴

依存させてしまう人はイネイブラーと呼ばれ、次のような特徴を持っていることもあります。
- 世話をすることで幸せを感じやすい
- 相手に幸せにしてほしいと思っている
- 嫌われないよう自分の気持ちややりたいことを我慢する
- 相手がいなくなることに恐怖や強い不安を感じている
- 問題があると相手ではなく自分が悪いと思い込む
- 尽くすことで自分から離れないようにしようとする
- 尽くして助けることが愛情だと思っている
- 相手の考えや行動に口出しして相手を変えようとする
- 大切にされないと同情を誘って罪悪感を与えようとする
- 自分にも相手にも信頼感を感じられないので不安が強い
- 相手の責任を自分の責任だと思い込んでいる
もし心当たりがある場合は自分を責めずに冷静に観察してみてください。
自分に満たされない思いがあることをそのまま受け入れてみましょう。
相手に対して
- 不安や心配で過保護になっていないか
- 相手がいないときにも相手のことばかり考えていないか
- 自分に対する肯定感や思いやりや自分軸は持てているか
というポイントを少しずつチェックしてみてくださいね。
イネイブラーをやめる方法と逃げる方法

自分がイネイブラーであることに気づいた方は、お世話をしようとしていることや相手のことを考えていることに気づいたら
すぐに手放すと決めて自分のために、自分の時間をつくると意識してみてください。
距離の取り方を練習してくと同時に自分と相手への信頼感を高めていくことも必要です。
相手が本来持っている力を信じて見放すのではなく、境界線を持って見守っていくことで自分も相手も尊重できるようになります。
世代間連鎖の方は
自分が自立することで連鎖を断ち切る
という意思を持つと、子どもが自分と同じように苦しむことを事前に防ぐことができます。
親などの身近な人がイネイブラーであると気づいた方は
- 物理的な距離を取る
- 相手から離れて自分の時間をたくさん持つ
- 違う人と会うようにする
など今自分ができることから少しずつはじめてみましょう。
イネイブラーからの自立を意識して自分のことは自分でやる、自分で決めるというスタンスを持つようにします。
第三者に相談することも大切

互いに離れられないことが心の負担になっている方は、第三者に相談することで自分の状況をより客観的に見ることができるようになります。
一人で悩むのと心の専門家に相談するのでは、解消のスピードが違います。
RIMSEのカウンセリングでは相手との境界線をしっかりと引けるようになり、
自分への思いやりを高めるセルフ・コンパッションやマインドフルネスを使って
相手に依存されない・依存しない自分軸を持てるようにサポートをしていきます。
あなたが相手を変えることは難しくても、あなた自身が解放されて自由になると相手も自然と自立を促されてよい方向へと変わっていきます。
お悩みの方はぜひ一度ご相談くださいね!