HSPのカウンセリングでお悩みを分析していくと、生きづらさを感じさせているのは
持って生まれたHSP気質そのものが根本的な原因ではないということに気づかされます。
大人になってしまうと子どもの頃のようにストレートに感情を表現することを抑えてしまうようになることが多いので、
それが通常の自分だと思い込むことで知らず知らずのうちに抑圧された感情が蓄積されてトータル的な生きづらさにつながってしまいます。
無自覚で感情にふたをするクセができている
「自分の感情がわからない」
「あまり感情を感じられない」
という方がいます。
普段の生活で感情の動きが感じられないということで、大きく心が動くこともないけれど、激しく落ち込むこともない。
けれど何かモヤモヤとした違和感を感じていたり、虚しさや孤独を感じやすくなっていたりと充実感のある状態ではないんですね。
最初は小さな違和感でも長期間放置したままにすると、うつ病や不安障害などの症状に発展する場合もあります。
感情が感じられないのは、どこかで「感情を感じることや人前で本当の自分を見せること」に抵抗を持っている場合があります。
大人は感情的になってはいけない、感情を出すことは恥ずかしい、恥ずかしい自分は人には見せられないという思い込みがブロックを生み出しています。
感情や本音を出せない苦しみから、人間関係で人との深い関りを拒否したり
逆に取り繕った自分で相手や周囲に強い愛着を求めてしまう愛着障害を生み出してしまいます。
サイドブレーキのまま走行する車
過去の強い悲しみや怒りなどが沸き起こった出来事から
「感情は悪いのも、自分を苦しめるもの」
という思い込みを持ち続けていると、防衛本能からできるだけ何も感じないようにしようとブレーキをかけ続けてしまいます。
ですが、感情は生きるうえでのガソリンでもありますので、エンジンがかかっていて走ろうとしている車にサイドブレーキをかけたままで走行しているような状態になってしまいます。
つらい感情だけ避けようとしても、喜びや楽しい、感動する、わくわくする!
などの感情も同時に同じ分だけ感じられなくなってしまうのです。
まずは、感情そのものはただの自然現象でいつでもどこでも沸き出てくるもの。
よい・悪いのジャッジをしないでただ受け入れてみようと思い出してみてください。
感情のふたを取り除くためには?
自分ではなかなかわからない、無自覚の感情のふたを知るための方法のひとつを紹介します。
- 本当は学校に行きたくない日があったけど行った
- 勉強したくないけど親が喜んでくれるよう勉強した
- お腹が空いていないのに母親に作ってもらったから食べた
- 悪く思っていないのに友だちに合わせて人の悪口を言っていた
- 先生に気に入られるよう優等生を演じてた
など、そんな小さなこと?誰にでもあるでしょ~というような
ほんの些細なことでも、自分の本音にふたをし続けることは積み重なって感情を麻痺させてしまいます。
それくらい、私たちの感情ってホントは敏感で柔らかなものなんですね。
つらい記憶を閉じ込めて幼少期の記憶があまりない方もいらっしゃいますが「私が子どものころに我慢させていたことは何?」と根気よく自分自身に問い続けてみてください。
見つかったらノートに書いておくことをおすすめします。
「本当はどうしたかったの?」という部分で、現在のお悩みとつながっているという気づきや発見があるかもしれません。
感情は自分らしく生きる道しるべ
感情はいわば、私たちが自分自身であるための道しるべだと思っています。
何を伝えているのかに気づき、ノートに書いたり、声に出してみたり、人に伝えたりと
外に出してあげることでその役割を終えて自然と解消されます。
恐れる必要もないですし、こだわりすぎたりとらわれすぎる必要もありません。
感情が沸いてきたら「あ、本音からのメッセージが来てる。この感情さんは何を言いたいの?」と自分からいったん外して考えてみることが大切です。
逆に反すうをくり返してしまうと、脳の回路が強化されてより強く影響を受けてしまいます。
気がつくこと、外へ出してあげることを第一に取り組んでみてくださいね!