HSCとは「Highly Sensitive Child」生まれつき敏感なHSPの気質を持った子どもたちのことです。
HSCへの接し方として、親自身がHSPである場合と、そうではない場合のどちらでも知っておきたい子育ての大切な5つのポイントを紹介します。
子どもの気持ちに共感して寄り添う
HSCの子どもたちは集団生活が始まると「自分の感覚が人と違っている」ことに徐々に気付いていきます。
色彩や音、視覚の感覚に敏感な子も多く、自己肯定感が育まれていないと
「なぜ自分は他の人と違っているのだろう?」
と自己否定して悩んでしまうこともあります。
一番の信頼者である親や家族が心がけるのは、子どもの感覚を否定せずに丸ごとそのまま受け止めてあげることです。
外の世界へ少しずつ出はじめて「自分はどこかおかしいのではないか?」とおびえている子どもを「そのままで大丈夫よ~」と抱きしめてあげることです。
ご自分がHSPではない親の方は、子どもの感覚をそのまま理解するのは難しいかもしれませんが
何でも話せる関係であり否定せずに理解しようと真剣に聞いてあげるだけで子どもは救われます。
「人と感覚が違うことは単なる性質の違いで、何も悪いことじゃないよ~」と子どもの世界を教えてもらって
一緒に楽しむくらいの余裕を持って接してあげましょうね。
好きなこと、小さなことから成功体験を重ねる
HSCの子どもたちは集団生活が苦手な傾向にあります。
多くの刺激を受け取りやすいので疲れやすく、一度にたくさんのことをするのが難しかったり、大勢の混沌とした雰囲気や先生に監視されているような雰囲気、時間に追われている感覚が何より苦痛だったりします。
これはもう感覚なので、仕方ないのですよね。
「毛虫が苦手!」という感覚と同じようなものなんです。
「ちゃんとやらなきゃ、みんなと合わせなきゃ!」
と思うまじめな子ほど、手がかからずしっかりしているように見えますが内面では同調圧力に傷ついていたりします。
自己表現が苦手になっている子はNoと言えずにまわりに合わせすぎて、それだけでエネルギーを多大に消耗していたりします。
給食の時間など「この時間までに残さず全部食べてください」というのはもはや拷問に近い感覚です。
それほど集団生活って敏感な子どもにとってはハードルが高いにも関わらず、どうにか合わせてやっている子どもたちはすごいと思います。
幼稚園や保育園、学校の感覚としてはそんな状態なので「成績がよかった、学校で一番になった」
というような一般的な評価基準よりも、
子ども自身がやってみたいことを自由に体験できるようなスモールステップの成功体験を重ねたほうが
本当の自信につながっていきます。
子どもにとっての絶対的な安全基地をつくる
保育所や幼稚園、小学校などで外の世界の刺激の強さに疲れているHSCの子どもには
ひとりで心からほっとできるようなダウンタイムが必要です。
自身もHSPである親の方は、子どもがまだ小さくて手がかかりますが、慌ただしい毎日のときにこそこの時間を作ってバランスを取ることが大事だと思います。
自分に余裕が持てないと、子どもを受け止めることが難しくなるのでまず自分のメンテナンスの習慣を持つようにしましょう。
子どもの年齢が上がってくると、塾や部活、習い事など子どものうちから忙しくなる場合もあります。
親自身も忙しいと時間に追われて
「宿題やったの?」
「ごはん食べなさい」
「早くお風呂に入りなさい!」
などついつい口出ししてしまいますが(私がそうです笑)
誰にも干渉されず、でもそっと見守られているような心地よい安心感の中で過ごせるHSCの子どもの自由な時間が本当の回復タイムだったりします。
親子と言えども、互いの心地よい心の距離感は保ちたいものです!
お互いのペースで尊重し合う
HSCの子どもたちに限らずですが、子育てのときに私がいつも心に留めておきたいと思っているのは
子どもをひとりの人として尊重すること。
本来はとてもパワフルでたくましくて、大人の世界なんていとも簡単に飛び越えて行って自分たちの新しい世界を作ってしまうのが子どもたちのすごさです!
大人の凝り固まった価値観や常識を押し付けないで、子どもたち自身が自由に正解を選んでいけるように、親自身も自分の思い込みの枠をどんどん外していく作業を続けていかないとな~
と思っています。
対等な関係でいられるとお互いに尊重しあえるので、口出したい気持ちが少なくなり子どもものびのびとしてきます。
自己肯定感がすべての根っこになる
子どもの頃に育まれた自己肯定感は、その後の人生に大きく影響してきます。
「あなたはそのままでいい。生きているだけで価値ある大切な存在なんだよ」とくり返し伝えていくことで、子どもは自信を持って生きていく力を付けていきます。
ここでのポイントは親自身も自己肯定感を持って子育てしないと、子どもにはそれがもろに伝わってしまうということ。
HSCの子どもたちは共感能力が高く、身近な存在である家族の気持ちを敏感に察しやすいです。
HSCさんは胎内記憶を持ったまま生まれてくる子も多く、お腹にいた時からお母さんのさまざまな思いもすでに受け取っています。
このときネガティブな感情が強い家族だと、心に受けた傷によって意識の解離を引き起こしてしまうこともあります。
防衛本能から自分軸が育たないまま成長すると、本来の自分自身を閉じ込めて親の考えや世間に合わせて生きるようになり、のちのち苦しむことになります。
HSCは五感で相手の気持ちを丸ごと察してしまうので、親からの本心ではないような口だけの発言もわかってしまいます。
子どもはどんな親も心の底では愛していますが、HSCだと特に嘘は感覚で見抜きます。
完璧な親になろうとせず、ありのままの自分を認めて子どもとの限られた時間を楽しむ。
そんな積み重ねが、HSCの子どもにとって将来大切な思い出となっていきます。