HSPさんには人間関係の悩みを持っている方がたくさんいます。
私も学校や会社での人付き合いでうまく自分を表現できずに、子どもの頃からずいぶんと悩んできました。
自己主張すると目立っていじめられる、自己主張しなさすぎてもただのいい人になって相手に振り回される。。。
と人との距離感の取り方がうまくつかめていませんでした。
心理学を勉強するようになり、コミュニケーションの取り方や考え方を知って行動が変わりずいぶんと楽になりました。
なかでも「アサーション」というお互い対等にコミュニケーションをするための
心理学的な技術は特に大切な要素となっています。
小学校でも授業でこういうことを早く教えてくれたらいいのにな~と思いました。
コミュニケーションで誤解されることは当たり前
HSP気質を持った方ならわかると思うのですが、相手がどんな気持ちで何を考えているか読めてしまうことがあります。
表面上ではにこにこしている人を見ても
「あ、この人嫌な気持ちになってるな」
と言葉以外の感覚的な情報から瞬時にわかってしまう感じです。
「相手が何を考えているか何もせずにわかるはずもない」
と思っています。
人との境界線が薄く、感じ取る能力にたけているHSPさんは
必要以上に相手を察して気を回したり、言葉でのコミュニケーションを重視しなかったりしてしまうことがあります。
ですが、生きて人と関わるうえで言葉のコミュニケーションは必須です。
HSPではない人が大多数の世界では避けて通れない問題なのですね。
HSPの気質を持っていない大多数の人は、HSPの自分よりも他人から得られる情報が少なく
言葉では伝えられる量も少ないのですれ違いや誤解されることは当たり前なのです。
伝わりにくいことを前提として、自分の気持ちや考えを相手に伝わるようにどう表現するかがコミュニケーションのポイントになります。
どうして自己主張できなくなったのか
私たちは生きているうちに、親や学校、友人、環境や日本の風習などから受けた影響で
「自分の本当の気持ちを隠しているほうが波風が立たずうまくいく」
というような思い込みを知らずと身に付けてしまっています。
自分の気持ちを抑えて周りに合わせてしまうのは、この無意識の習慣からきている場合が多いです。
年齢を重ねるにつれて自分の気持ちがわからなくなる、というのはこれが積み重なっている状態です。
無自覚の抑圧についてはこちらもご参考まで☄︎
自分の気持ちがちゃんと言えた!という経験を重ねていないと、コミュニケーションに苦手意識が高まっていってしまいます。
- いい人でいなくてはいけない
- 物分かりのいい人は好かれる
- 人を傷つけてはいけない
など、子どもの頃に教えられた一般常識にとらわれすぎていても同じような状態になります。
- いい人にも悪い面もある
- 物分かりがよくなくても好かれてる人もいる
- 人と人が関わると傷つき傷つけられることもある
実際に現実では、どちらかに偏ってはいませんよね。
常識でよいとされていることだけにとらわれていると、失敗することが怖くなり
自分をそのまま表現するのがリスクと考えるようになってしまいます。
バランスを取ることが大切
自分のことばかり話して相手の話を聞かず、攻撃的で自己主張の強いタイプの方がいます。
反対に、HSPの気質を持つ方は自分よりも相手を優先して、自分のことは後回しにしてしまうタイプが多いです。
- 非主張的(HSPさんに多い)タイプ
言い訳しがち、黙る、承認を期待する、相手にゆだねる、依存、自己否定、引っ込み思案、消極的
- 自己主張が強いタイプ
責任転嫁、一方的主張、支配的、指示的、自分勝手、他者否定、優位に立ちたがる、強がり、無頓着
- バランスが取れているタイプ
自己責任、柔軟、歩み寄りができる、自他協力、調和、自己選択、自発的、どちらも尊重、率直、素直
相手を優先するタイプの方は、自分の気持ちや思いをはっきりと表現せずあいまいにしてしまうのですね。
これは、一見相手に譲っているようにも思えますが、自分への自信のなさからはっきりと自己主張できないという不安な気持ちが隠れている場合もあります。
非自己主張タイプの方は、相手に押し切られたり断れなかったりすると
「自分はダメだ」
「どうせわかってもらえない」
といった否定的な気持ちが浮かんできます。
お互いが気持ちよくコミュニケーションを取るためには
素直に率直に相手に伝わりやすいように表現することが大切です。
すれ違ったり誤解されることが当たり前なのですから、もし意見があったりわかりあうことができたら、それはラッキーなこと!
相手にも自分にも敬意を持って大切に思うからこそ、
どうにかして伝え合おう、わかりあおうとする気持ちが生まれるんですね。
自分の気持ちを伝える権利が私たちにはある
とは言え、実際に日常生活で頼まれごとを断ったりするのは勇気がいりますよね。
「断ったら嫌われるかもしれない」
「相手が嫌な気持ちになったらどうしよう」
と様々な考えが浮かんできます。
ですが、あなたの率直な気持ちを受け取って、どう思うかは相手の自由なのです。
あなたが考えることではありません。
自分にできることは気持ちをそのままストレートに伝えることだけ
相手がどう思うかは自由なように
自分にも、気持ちをそのまま伝える自由も、相手の欲求を断る自由もあります。
断るときの罪悪感から
- 人から大切にされないと自分に劣等感を感じる
- 自分の欲求は主張してはいけない
- ネガティブな自分は見せてはいけない
- 人に嫌われてはいけない
と思い込みから自分の権利を奪ってしまっていませんか?
自分の気持ちも相手の気持ちも同じだけ大切にすることで、偏ることなく自分の欲求を伝え
相手の欲求も受け取れるようになります。
何かを決めるとき「自分はどうしたい?」
と問いかける習慣を持つと実践しやすくなります。
コミュニケーション力はいつからでも身に付けることができる
コミュニケーションは練習することでどんどん上達していきます。
HSPの気質があってもなくても関係ありません。
自転車の練習と同じようなものです。
どうすればうまく自分の気持ちを表現できるのか、
伝わりやすく適切な言葉を選ぶ方法や
自分の気持ちにオープンにして接するためのコツなど
身につけるほど楽にコミュニケーションができるようになります。